2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン・プロテアソーム系を介したインスリン受容体基質調節機構の解明
Project/Area Number |
19790623
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高橋 伸彦 Asahikawa Medical College, 医学部, 助教 (20372279)
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Keywords | インスリン受容体基質 / ユビキチン・プロテアソーム |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームはインスリン抵抗性を背景にしばしば高インスリン血症を呈する。そして高インスリン血症は骨格筋細胞や脂肪細胞といったインスリン感受性臓器における代謝のkey playerである、インスリン受容体基質(IRS)をユビキチン・プロテアソーム系を介して量的に調節することが知られている。本研究はその分子メカニズムを明らかにすることが目的である。1、IRS-1特異的ユビキチンリガーゼ(E3)の同定 : 培養細胞にインスリンを長時間暴露させることでIRS-1量を低下させ、得られた蛋白サンプルを抗IRS-1抗体にて免疫沈降を行った。沈降した蛋白をSDS-PAGEで展開し得られた蛋白スポットをゲル内消化、質量分析後にdata base検索を行なった。その結果、2つの蛋白分子を同定した。一つは細胞骨格に関わる分子、もう一つは細胞内輸送に関わる分子であった。これらの分子が実際にIRSにassociateしているのかどうか、また、どのような役割を担っているのかどうかは今後の課題となる。本研究結果は、持続高インスリン血症により低下するIRS-1分子にどのような蛋白がassociateしているのか明らかにすることで、新たなIRS-1の調節分子を発見する可能性を秘めている。2、IRS-1のユビキチン様蛋白修飾の探索とその病態意義の解明 : 近年、ユビキチン様蛋白の修飾により蛋白の機能調節が行われる事が知られている。そこで、本研究では、SUMO-1、SUMO-2, 3、NEDD-8といったユビキチン様蛋白が、インスリン作用の中核をなすIRSを修飾するのか、また、機能を調節するのか検討を行っている。実際にはWestern Blot法による検討で、SUMO化は検出されなかった。しかし、検出感度の問題から最終結論を導くためには更なるアッセイ系の検討が必要であると思われた。
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