2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗糖尿病因子アディポネクチンの高活性型フォーム同定と制御機構解明による治療応用
Project/Area Number |
19790626
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽田 裕亮 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (20436463)
|
Keywords | 糖尿病 / 脂肪細胞 / アディポネクチン |
Research Abstract |
(1)脂肪細胞に特異的に発現して分泌される抗糖尿病・抗メタボリックシンドローム・抗動脈硬化ホルモンであるアディポネクチンは多くは全長アディポネクチンの形で少なくとも3つのフォームで血中に存在している。我々はその3量体、6量体、高分子量それぞれのフォームを別々に精製する技術を確立した。さらに、3量体アディポネクチンは血清中でアルブミンと結合している事を見出し、従来の分離精製技術においてはこのアルブミン結合3量体と6量体とが区分しにくい事を見出した。また、これらの各フォームのAMPキナーゼの活性化の比較を行ったところ高分子量型がもっともAMPKの活性化を行う事を見出した。 (2)我々は以前にチアゾリジン誘導体(TZD)が高分子量アディポネクチンを増加させることを報告している。これまでの検討で、高分子量アディポネクチンが既に脂肪細胞内で形成され、およそ、その存在比を変化させることなく細胞外へ分泌されることを見出した。また、脂肪細胞は肥満に伴いその機能・活性が障害され、TZDで機能・活性が回復する事が知られていたが、さらにARBでも部分的ながら似たような回復能が見られる事を見出した。この機能について分子生物学的な制御機構についての検討を行い、更に動脈硬化巣へ対する効果も期待される結果を見出しつつある。 (3)3量体アディポネクチンのコラーゲン領域が切断された形である、球状3量体アディポネクチンは活性が高いことが従来より知られているが、血中での球状3量体アディポネクチンの濃度はアディポネクチンの1/1000程度であり、その切断活性は炎症部位において比較的局所において起こっていることが示唆されている。我々はコラーゲン領域での切断部位を既に特定しており、その切断がどこでどのように行われているのかについても活性部位などの検討により大まかな候補を見出している。
|
Research Products
(3 results)