2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアバイオジェネシスを介した新規糖尿病治療法の探索
Project/Area Number |
19790629
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
森野 勝太郎 Shiga University of Medical Science, 医学部, 医員 (90444447)
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Keywords | 糖尿病 / ミトコンドリア / 生活習慣病 / インスリン抵抗性 / 骨格筋 / メタボリック症候群 |
Research Abstract |
課題A:ミトコンドリアバイオジェネシスを調節する新規遺伝子の同定 インスリン抵抗性被検者ではミトコンドリア密度の低下があるにもかかわらずPGC-1とその下流分子のmRNA発現には低下を認めなかった。PGC-1以外の因子によってミトコンドリア密度が調節されている可能性が示唆された事から、DNA micro arrayを行いPGC-1以外のミトコンドリア関連遺伝子を検討した。その結果252遺伝子に有意な差を確認した。これらの遺伝子多くが機能未知である事から、培養細胞を用いて252遺伝子に対するsiRNAを行いミトコンドリアバイオジェネシスに関与する遺伝子をスクリーニングし4つの新規遺伝子を同定した。ミトコンドリアバイオジェネシスを調節する4遺伝子中でも特に候補遺伝子Aが我々の被検者の骨格筋においてもmRNAのみならず蛋白発現も約50%に低下している上に、骨格筋培養細胞において候補遺伝子AをRNAiでノックダウンする事によりミトコンドリア密度の低下、ミトコンドリア蛋白の低下、ミトコンドリア機能の低下をきたす事が明らかとなった。これらの現象がin vivoでも再現されるかどうか、現在はノックアウトマウス・トランスジェニックマウスを用いて検討中である。 課題B:食事由来の因子によるミトコンドリアバイオジェネシスの調節機構の解明 ミトコンドリアバイオジェネシスを調節する食事因子の検討については、マウスに種々の脂肪酸組成を持った高脂肪食を負荷する事により実験を実施したが現在のところ一定の結果を得ていない。ミトコンドリア機能の調節にはホルモンなどの食事以外の因子の影響が大きく反映されるためと考えられる。現在は培養細胞の実験系を用いて検討中である。
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