2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790635
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白木 伸明 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 研究機関研究員 (70448520)
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Keywords | ES細胞 / 膵β細胞 / M15細胞 |
Research Abstract |
本研究では、膵臓発生メカニズム解明のツールとしてES細胞から正常発生に沿った形で膵β細胞を効率よく分化誘導する方法の確立を目的としている。 平成19年度においては、私は様々な検討を行い、ES細胞から膵前駆細胞(Pdx1陽性細胞)を効率よく分化誘導できる方法を開発した。ES細胞から膵β細胞を誘導する技術については、多くの報告がなされているが、膵β細胞に至るまでの分化制御機構について分子レベルでの解析は少ない。膵臓は内胚葉由来の臓器であり、膵β細胞(インスリン陽性細胞)は膵前駆細胞(Pdx1陽性細胞)・内分泌前駆細胞(Ngn3陽性細胞)を介して発生する。今回、私は様々な細胞株をスクリーニングして、中腎由来のM15細胞がES細胞から膵前駆細胞を効率よく分化誘導することを見いだした。さらに、スクリーニングに使用した細胞株についてマイクロアレイ解析を行い、M15細胞のもつ分化促進能力の本体について解析を行った。解析の結果、膵臓分化に関して、アクチビン・FGF・レチノイン酸・接着因子の関与が示唆された。そこで、M15細胞とこれらの液性因子の添加を組み合わせることでES細胞から非常に効率よく膵前駆細胞を分化誘導できる方法を確立できた。定量的な解析の結果、支持細胞のみの場合に得られる膵前駆細胞は約2%程度であったが、液性因子を添加することで約30%と飛躍的に増加した。得られた膵前駆細胞については、マウスへの移植実験を行い、膵臓を構成するすべての細胞へ分化可能であることがわかった。 今回、開発した方法やそこから得られる膵前駆細胞を利用することで、膵臓分化機序のさらなる解明やインスリン産生を行う膵β細胞の再生医療への応用が期待される。この研究成果はStem Cells電子版に先行掲載された。
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Research Products
(6 results)