2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790639
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
東 浩介 Juntendo University, 医学部, 助手 (40420830)
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Keywords | 2型糖尿病 / インスリン / 血糖変動 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
私共は以前より、単球内皮接着現象を動脈硬化の指標として、血糖値が動脈硬化に与える影響に関して検討した。その結果、血糖変動が単球の内皮接着促進因子であることが明らかになった。そこで、今回、計画書に記したとおり、まず、血糖変動で誘発された単球内皮接着現象が動脈硬化に直結するか否かに関して検討した。方法としては、動脈硬化モデルマウスであるApoEノックアウトマウスを通常に摂餌させた上で、(1)ショ糖1日2回経口投与群、(2)生食1日2回経口投与群、(3)ショ糖1日2回経口投与+αglucosidase阻害剤投与群の3群にわけ、7週齢,12週齢に各マウスから胸部大動脈を摘出し、単球内皮接着量、脂肪線状量を測定した。マウスの単球内皮接着量の評価に関しては、Mac2抗体を用いた免疫染色にNEMOesを応用することにより行った。脂肪線状量に関しては、特に大動脈弁輪部を中心にOilRedO染色を行うことにより行った。この結果、3群とも、コレステロール、中性脂肪などの血清データには異常を認めなかった。一日血糖日内変動に関しては、(1)の群で血糖変動を認め、それが(3)の群で抑制されていた。負荷開始1週間後の単球内皮接着量では、(1)の群ですでに、(2)あるいは(3)の群よりも亢進していた。負荷開始、5週後の脂肪線状量に関しても、(1)の群ですでに、(2)あるいは(3)の群よりも亢進していた。従って、血糖変動はまず、単球の内皮接着亢進を誘導し、その後、動脈硬化を促進させることが明らかとなった。また、私共の実験系が動脈硬化の初期評価につながることも明らかになった。
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Research Products
(2 results)