2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790639
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
東 浩介 Juntendo University, 医学部, 助教 (40420830)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / 動脈硬化症 / 糖尿病 / プラーク / NEMOes法 / APEC / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
糖尿病の大血管障害の発症予防・進展抑制は臨床での重大な課題である。持続する高血糖だけでなく、血糖の変動が動脈硬化症発症の重要なリスクファクターであることを明らかにした我々は、独自の手法であるNEMOes法により動脈硬化発症モデルをもちいて血管内腔面を観察したところ血糖変動が単球・マクロファージ接着を促進するだけでなく、プラーク形成を促進すること、そしてこれを抑制することがプラーク形成の予防につながることを明らかにした。このことは、糖尿病発症前の空腹時には正常血糖を呈する状況の人をより早期からスクリーニングし、多くは食後に生ずる血糖変動を抑制する必要を示唆する重要な知見である。さらに、検討によりプラーク上の血管内皮細胞において平滑筋アクチンフィラメント有する特異な細胞を発見しAPEC(Alpha-smooth muscle actin Positive Endothelial Cell)と命名した。本細胞はヒト、野生型マウスやラットにも見られるが加齢による密度変化は見られず、ヒトの粥状動脈硬化症部位・腎不全モデルラット・終末糖化産物負荷ラット・インスリン依存性モデルラットにおいて密度が亢進しており、単球接着亢進との強い相関が示唆された。GFPマウス骨髄をApoEKOマウスに移植したモデルでAPECはGFP(-)でありin situの内皮細胞がAPEC化していると推測された。原子間力顕微鏡を用いて動脈硬化モデルマウスのプラーク部位でのAPECの「硬さ(ヤング率)」を検討したところ有意な亢進を認めた。動脈硬化発症早期においては正常な血管内皮細胞がAPEC化することで内皮細胞硬化を生じ機能的のみならず形態学的.物理的変化を生じうることを初めて明らかにした。
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Research Products
(3 results)