2007 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤誘導性グレリン細胞腫瘍化マウスの作製-慢性薬理作用の解明と細胞株樹立-
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19790647
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩倉 浩 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (20378615)
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Keywords | グレリン / トランスジェニックマウス / 腫瘍 |
Research Abstract |
(1)コンストラクトの作製 これまでの検討により、ヒトのグレリン遺伝子5'領域約4kbを用いた場合、少なくとも胃のグレリン細胞において遺伝子発現を誘導できることを確認していたため、遺伝子組換えにより、ヒトグレリンプロモーター約4kb下流にreverseテトラサイクリン制御性トランス活性化因子(rtTA)を結合したコンストラクトを作成した(rtTa-Tg)。同時に、テトラサイクリン応答性因子(TRE)-CMVプロモーターの下流にSV40T抗原(Tag)を結合したコンストラクトを作成した(TRE-Tag Tg)。 (2)マウスの作製 C57BL6マウス受精卵へ精製したコンストラクトの断片をマイクロインジェクションし、トランスジェニックマウスを作成した。トランスジーンの挿入の確認は、サザンブロット法により行った。結果、rtTa-Tgのファウンダーマウスを6匹、TRE-Tag Tgのファウンダーマウスを5匹得た。このうち、rtTa-Tgマウス2ライン、TRE-Tag-Tgマウス4ラインの交配繁殖に成功した。 (3)ダブルトランスジェニックマウスの作製 これらのマウスを繁殖し、ある程度増えたライン同士に関しては、rtTa-TgとTRE-Tag Tgの交配も開始し、一部ダブルトランスジェニックマウスの産出にも成功した。 (3)ラインの選択 これら、ダブルトランスジェニックマウスにドキシサイクリン負荷を開始している。血中グレリン濃度を指標として、腫瘍の発生を推し量る系の樹立を目指しているが、現在までのところ、明らかな、血中グレリン濃度の上昇は観察できていない。今後、さらにラインの組合せを変え、ドキシサイクリンの濃度、投与期間を調節することで、最適な組合せを見いだすことを目指す予定である。
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