2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞からの骨格筋細胞の分化誘導とその内分泌臓器としての分化過程の解明
Project/Area Number |
19790649
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽根 正勝 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (40437207)
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Keywords | 内分泌学 |
Research Abstract |
まずマウスES細胞を用い、Flk1陽性細胞からの骨格筋の分化誘導を試みた。マウスES細胞を分離しコラーゲンIVコートディッシュ上で10%血清存在下で分化誘導を行うと、分化誘導4日目にFlk1陽性細胞が約10%出現した。これらのFlk1陽性細胞をフローサイトメトリーにてソーティングし、10%血清下で分化誘導を行ったところ、これまでの検討と同様に平滑筋細胞が出現した。これらFlk1陽性細胞を低血清条件下・2%馬血清存在下などの既報にある骨格筋分化誘導条件下で分化誘導を試みたが、これらの条件下ではFlk1陽性細胞は十分に生育せず、骨格筋系細胞の出現は認められなかった。そこで、筋衛星細胞のセルラインと考えられているC2C12細胞の培養上清を用いて培養を行ったところ、Flk1陽性細胞は良好に生育した。そこで、平成20年度は、その条件において、筋幹細胞マーカーであるPax7、骨格筋芽細胞で発現するMyoD、筋管細胞で発現するmyogeninの遺伝子発現をRT-PCR法にてソーティング後20日間観察したところ、Pax7の発現は認めたが、MyoD、myogeninの有意な発現は認めなかった。また、明らかな多核の細胞や免疫染色にて骨格筋ミオシン陽性細胞も出現しなかった。次に、ヒトES細胞を用いて、OP9フィーダー細胞との共培養下で分化誘導後8-10日目に出現するFlk1陽性・未分化ESマーカーTRA1-60陰性細胞をソーティングし、ソーティング後28日目まで同様の検討を行ったが、MyoD、myogeninの有意な出現は認めなかった。低血清・PDGF-BB添加条件下で細胞密度の低い状態で培養すると、多核の巨大な細胞が一部に出現したが、それらは紡錐形ではなく円形で、骨格筋ミオシンは発現しておらず、形態的に破骨細胞の出現が疑われた。これらの結果から、現段階ではマウスおよびヒトES細胞由来Flk1陽性細胞からの骨格筋細胞の分化誘導には成功していない。
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Research Products
(3 results)