2008 Fiscal Year Annual Research Report
Ad4BP遺伝子エンハンサーの解析を通じた生殖腺発生期の遺伝子カスケードの解明
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19790652
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
馬場 崇 National Institute for Environmental Studies, 環境健康研究領域, NIES特別研究員 (40435524)
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Keywords | Ad4BP / SF-1 / エンハンサー / 転写制御 / Leydig細胞 / 生殖腺 |
Research Abstract |
本年度は前年度に同定したAd4BP遺伝子の胎仔ライディッヒ細胞特異的エンハンサーのコア配列に結合する因子の同定を行った。コア配列をbaitとしたyeast-one-hybrid assayを行った結果、コア配列に存在するE-boxに結合する因子としてbHLH型転写因子であるTcf4を同定した。E-boxにはbHLH型転写因子がホモまたはヘテロダイマーとして結合することが知られている。そこで、Ad4BP遺伝子のエンハンサーに存在するE-boxに対して、Tcf4がホモダイマーで結合するのか、もしくは他のbHLH型転写因子とヘテロダイマーを形成して結合するのかという点に関して現在検討中である。 また、今年度はクロマチン免疫沈降(ChIP)と次世代大規模塩基配列決定(Seq)を組み合わせたChIP-Seqにより得られたデータの解析手法の開発を行った。さらに、ChIP-Seqによるエンハンサー領域の同定を目的として、副腎皮質由来の培養細胞からAd4BP抗体およびRNA polymerasaeII抗体を用いてChIP-Seqを行い、開発したアプリケーションを用いて解析を行った。その結果、Ad4BP遺伝子のプロモーターよりもさらに上流の領域にRNA polymerasaeIIが高度に蓄積する領域(エンハンサー)が存在することが分かった。この領域の塩基配列は種を超えて高度に保存されており、またAd4BP自身も蓄積していることが分かった。この結果より、副腎皮質におけるAd4BP遺伝子の発現はポジティブフィードバックループによって制御されており、またその制御にはプロモーターより上流に存在するエンハンサーが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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[Journal Article] Disruption of Aryl Hydrocarbon Receptor (AhR) Induces Regression of the Seminal Vesicle in Aged Male Mice2008
Author(s)
T, Baba., Y, Shima., A, Owaki., J, Mimura., M, Oshima., Y, Fujii-Kuriyma., K-I, Morohashi
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Journal Title
Sexual Development 2
Pages: 1-11
Peer Reviewed
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[Presentation] Novel function of Ah (dioxin) receptor in steroidogenesis2008
Author(s)
T, Baba., J, Mimura., Y, Shima., N, Nakamura., A, Owaki., M, Oshima., N, Harada., M, Yamamoto., Y, Fujii-Kuriyama., K-I, Morohashi
Organizer
International Symposium for Gonad and Brain Sex Differentiation
Place of Presentation
JAL Resort Sea Hawk Hotel Fukuoka
Year and Date
2008-09-14