2007 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子GATA-2による間葉系幹細胞から骨髄脂肪細胞への分化制御
Project/Area Number |
19790657
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 譲司 Tohoku University, 病院, 助教 (10400376)
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Keywords | GATA-2 / 間葉系幹細胞 / 骨髄微小環境 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
転写因子GATA-2ノックアウト(GATA-2^<-/->)マウスは、一次造血および胎児肝での二次造血の異常により汎血球減少を呈し、胎生11.5日目までに死亡することから、GATA-2は、造血幹細胞(Hematopoietic stem cells:HSC)の維持、増殖に必須の転写因子と考えられている。一方、正常造血の維持には、造血細胞だけでなく、その支持細胞からなる造血微小環境が必須である。造血微小環境は、骨芽細胞や血管内皮細胞、脂肪細胞などのストローマ細胞で構成されるが、それらは共通の前駆細胞である間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells:MSC)が分化して形成される。興味深いことに、転写因子GATA-2は、脂肪前駆細胞にも発現し、その未分化能の維持に重要な転写因子であることが報告されており、骨髄においてもMSCから脂肪前駆細胞、脂肪細胞への分化に機能している可能性が考えられる。そこで、今回マウス骨髄脂肪前駆細胞株(TBR343)を用いた解析を行い、GATA-2の骨髄間葉系細胞における脂肪細胞への分化制御における役割を検討した。siRNAを用いてTBR343細胞にGATA-2の発現を抑制したところ、脂肪細胞への分化が促進された。一方、GATA-2発現ベクター導入によりGATA-2の発現を亢進させたところ、分化が抑制された。これらの結果は、GATA-2が骨髄間葉系細胞において未分化性の維持に機能していることを示唆している。
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