2007 Fiscal Year Annual Research Report
バイオイメージング技術で検出される活性化シグナルを指標とした白血病幹細胞の解析
Project/Area Number |
19790662
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 誠一郎 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任助教 (70376622)
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Keywords | レポーター法 / 種瘍幹細胞 / レンチウイルスベクター |
Research Abstract |
近年、造血器腫瘍・脳腫瘍・乳癌・大腸癌等において腫瘍幹細胞の存在が報告されている。しかし、それらは細胞表面マーカーをもとに解析されたものであり、機能的な側面から同定された報告はない。今回我々は、正常幹細胞でその活性が高いことが知られている各種シグナル(Wnt、Notch、NFκB、テロメレース)を蛍光蛋白あるいはルシフェラーゼを用いて検出するレポーター法を開発した。例えばWntシグナルに関しては、LEF/TCF分子の結合サイト+TATA boxをプロモーターとするタンパク質発現ユニットをレンチウイルスベクターを用いて細胞内に導入することにより、そのレポーター活性を指標として(LEF/TCFレポーターアッセイ)、Wntシグナル活性の高い細胞集団を単離することができた。その他の各種シグナルについても同様に、改変緑色蛍光タンパク質(d2Venus)とルシフェラーゼを発現タンパク質とするレンチウイルス・レポーターベクターを作製した。白血病・固形腫瘍細胞株を用いた実験において、これらのベクターは各種シグナル特異的な刺激に反応し、機能することが示された。この方法により、(1)細胞個別に、(2)細胞が生きたままの状態でのシグナル活性の解析が可能となった。また、レンチウイルスベクターの高い感染効率は、今まで困難であった初代培養細胞での解析を可能にした。今後、腫瘍幹細胞の機能的な同定を最終的な目標として解析を続ける予定である。
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