2008 Fiscal Year Annual Research Report
染色体1q21領域の増幅を認める多発性骨髄腫の臨床病態および分子病態の解析
Project/Area Number |
19790677
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
花村 一朗 Aichi Medical University, 医学部, 講師 (70440740)
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Keywords | FISH / 多発性骨髄腫 / Iq21 / 染色体転座 |
Research Abstract |
まずはヒト骨髄腫細胞株における1q21領域コピー数増加のパターンを検討するとともに、1q21領域のコピー数や増幅パターンに関連した他の細胞遺伝学的異常の検討を分裂期核FSIH法を用いて試みた。検討するに十分な分裂期染色体像が得られた11株のヒト骨髄腫細胞株において1q21領域のコピー数の増加は80%以上で認められ、その約半数以上が染色体数の増加に伴う比較的単純な増加であると考えられ、複雑な増幅形態をとることは比較的少ないと考えられた。ヒト多発性骨髄腫細胞株や臨床検体を用いたarray CGHの研究結果などから、1q21領域のコピー数の増加・増幅は1p、11q、13、16qのlossやdeletionおよび3、5、7、9、15、19染色体数増加との相関が示唆されていたが、多発性骨髄腫における代表的なコピー数異常の領域である13q14領域および17p13領域のコピー数と1q21領域のコピー数や増幅様式との相関を分裂期核FSIH法により検討したが有意な関係は認められなかった。他の領域に関しては現在検討中である。また臨床検体での実施を想定したcytoplasmic Immunoglobulin staining FISH(CIg FISH)の条件設定を細胞株を用いて行った、現在は症例の蓄積を試みているところである。1q21領域コピー数増加を有する症例ではサリドマイド投与の効果が得難いことが示唆されているため、今後は症例を用いて行う予定である。その他、新規の骨髄腫細胞株を樹立し現在解析中である。
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Research Products
(10 results)