2007 Fiscal Year Annual Research Report
JNKアイソフォームによる相反するIL-12産生制御:RNA干渉を用いた検討
Project/Area Number |
19790680
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宇津木 光克 Gunma University, 医学部, 医員 (40396635)
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Keywords | 抗原提示細胞 / Interleukin-12 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Interleukin-12(IL-12)はマクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞から産生され、Th1分化を誘導する重要なサイトカインである。我々はヒトマクロファージにおけるIL-12産生が、細胞内シグナル伝達分子であるc-Jun NH2-terminal kinase(JNK)による負の制御を受けていることを報告している。一方、ヒト樹状細胞においてはJNKによるIL-12産生の正の制御が報告されている。このメカニズムを解明するため、JNKアイソフォーム(JNK1, JNK2)におけるIL-12産生制御機構をJNK1およびJNK2siRNAを用いて検討した。ヒトマクロファージ細胞株であるTHP-1細胞において、JNK1 siRNAの導入はLPSによるIL-12 p40産生を抑制したが、JNK2 siRNAの導入はp40産生を増強した。さらにJNK1、JNK2 siRNAを同時に導入すると、LPSによるIL-12 p40産生は増加した。一方、末梢血単球由来の樹状細胞においては、JNK1 siRNAおよびJNK2 siRNAのそれぞれの導入は、LPSによるIL-12 p40産生、IL-12 p35およびp40mRNAの発現を抑制した。以上のことからヒトマクロファージにおいてはJNK1とJNK2の異なったIL-12産生制御機構が存在すること、さらにヒトマクロファージと樹状細胞におけるJNKによるIL-12産生制御の相違はJNK2による制御に起因することが明らかとなった。
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