2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790681
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
須藤 明 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (50447306)
|
Keywords | IL-21 / IL-6 / TGF-β / 可溶性IL-21レセプター / 細胞内サイトカイン染色法 / Th17細胞 / ヘルパーT細胞分化 |
Research Abstract |
本申請研究では、自己免疫疾患の病態への関与が示唆されているIL-21のT細胞における産生制御機構、及びSLE発症におけるその役割の解明を目的としている。平成19年度の研究では、可溶化IL-21レセプターを用いた細胞内IL-21染色法を確立し、CD4陽性T細胞におけるIL-21産生制御機構を解析した。その結果、1)IL-21産生CD4陽性T細胞は、Th17細胞分化誘導条件下(Th17条件)(IL-6、TGF-β、抗IL-4抗体、抗IFN-γ抗体)で分化するが、Thl7条件下で誘導されるIL-21産生CD4陽性T細胞の多くはIL-17AとIL-17Fの発現を欠くこと、2)Th17条件に含まれるサイトカインのうち、IL-6はIL-21産生CD4陽性T細胞の分化を誘導するが、TGF-βはその分化を抑制すること、3)IL-21もIL-6と同様にIL-21産生CD4陽性T細胞の分化を誘導すること、4)IL-2は、Th17細胞の分化を抑制するが、IL-21産生CD4陽性T細胞の分化を促進すること、5)IL-21産生CD4陽性T細胞は、IL-6の存在下でIL-21産生能を長期間維持すること、6)IL-21産生CD4陽性T細胞をTh1細胞分化誘導条件下で再刺激してもIFN-γ産生は誘導されないが、Th2細胞分化誘導条件下で再刺激するとIL-21産生能を維持したままIL-4産生が誘導されることを明らかにした。以上より、IL-21産生CD4陽性T細胞とTh17細胞は、共にIL-6或はIL-21を分化誘導因子として必要とするが、TGF-βとIL-2に対する反応性は異なっており、自己免疫病態において異なる役割を果たしている可能性が示唆された。平成20年度の研究では、IL-21産生に重要な役割を果たす転写因子の同定を目指す予定である。
|