2007 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞アナジー誘導遺伝子に関連した新規抑制性T細胞サブセットの解明
Project/Area Number |
19790682
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤尾 圭志 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (70401114)
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Keywords | 免疫寛容 / リンパ球 / サイトカイン / 獲得免疫 / 免疫制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は転写因子Egr-2及び新規制御性T細胞であるEgr-2高発現CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性のサブセットを解析し、Foxp3と独立した免疫寛容系を解明することである。Egr-2高発現CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性のサブセットはRAG1欠損マウスにCD4陽性CD45RB強陽性細胞を移入することにより生ずる腸炎モデル系において、腸炎を著明に抑制し致死性の腸炎からマウスを救う活性があることが判明した。この活性はIL-10依存性であった。また生体内でのEgr-2発現抑制の影響を検討するため、Egr-2の発現をノックダウンするShRNAベクターである、pSIREN-ZsGreeen Egr-2 shRNAをB6マウス骨髄細胞に遺伝子導入し骨髄キメラマウスを作製した。するとこの骨髄キメラマウスは腸炎を発症することがわかった。またTCRトランスジェニックマウスの中でEgr-2高発現CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットを欠損するマウスを同定した。このTCRトランスジェニックマウスは腸炎を発症し、この腸炎はEgr-2高発現CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットを移入することで抑制できた。以上のことからEgr-2高発現CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットはIL-10依存性に腸炎の抑制に強く関連することが分かった。今後はEgr-2高発現CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットの分化様式や経口外来抗原に対する免疫寛容の成立との関連を検討する予定である。
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