2008 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞アナジー誘導遺伝子に関連した新規抑制性T細胞サブセットの解明
Project/Area Number |
19790682
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤尾 圭志 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (70401114)
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Keywords | 制御性T細胞 / レトロウイルスベクター / 炎症性腸疾患 |
Research Abstract |
自己免疫寛容の維持に重要と考えられているのが制御性(regulatory)T細胞である。近年CD4陽性CD25陽性制御性T細胞を規定する重要な転写因子としてFoxp3が報告された。しかしFoxp3により規定されるCD4陽性CD25陽性制御性T細胞以外にも、生体内で自己免疫寛容を担っている未知の制御性T細胞が存在する可能性がある。申請者はレトロウイルスベクターを用いた抗原特異的T細胞レセプター(TCR)遺伝子導入法を用いることで、Egr-2がマウスin vivoでの抗原特異的免疫抑制活性に関与していることを確認した。本研究ではEgr-2及びEgr-2高発現CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性のサブセットを解析し、Foxp3と独立した免疫寛容系を解明することを目的とした。まずEgr-2導入細胞の抑制メカニズム及び分化様式の解明を行った。 CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットはRAG1欠損マウスへのCD4陽性CD45RB高発現ナイーブT細胞移入による腸炎を抑制したが、IL-10欠損マウス由来のCD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットは腸炎の抑制が著明に減弱しており、CD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットによる腸炎抑制能はIL-10依存性であると考えられた。また分化について検討したところFoxp3欠損マウスにおいても抑制能を保持したCD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットが増加しており、分化にFoxp3を必要としないと考えられた。またFoxp3陽性制御性T細胞が増加するOT-II/RIP-mOVAトランスジェニックマウスではCD4陽性CD25陰性CD45RB陰性サブセットは増加せず、Foxp3陽性制御性T細胞とは明らかに異なる新規制御性T細胞と考えられた。これらの結果を基に国際特許を申請中である。
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