2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハチアレルギーにおける重症度マーカーの解析とIgEをターゲットとした治療の研究
Project/Area Number |
19790691
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
平田 博国 Dokkyo Medical University, 医学部, 助教 (60326890)
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Keywords | ハチアレルギー / 重症度 / ロイコトリエンC4 / ヒスタミン / 好塩基球 |
Research Abstract |
ハチアレルギー患者における重症度を予測するマーカーを解析するために、スズメバチまたは、アシナガバチに刺され、血清ハチ特異的IgE抗体陽性の12例{全身皮膚症状のみ(軽症)3例、呼吸器症状を呈した(中等症)2例、アナフィラキシーショック(重症)7例}の患者から末梢血好塩基球、及び単核球を採取した。これらの細胞に対しハチ毒エキス、またはPMA+ionomycinで刺激し、1時間後の好塩基球培養上清中のロイコトリエンC4、ヒスタミンとプロスタグランディンD2濃度をEIA法で、ハチ毒エキス刺激24時間後の好塩基球、及び単核球培養上清中のIL-4、IL-13の濃度をELISA法で解析した。その結果、6例(軽症2例、中等症1例、重症3例)の患者において、抗原(ハチ毒エキス)特異的にロイコトリエンC4、及びヒスタミン濃度の著名な産生増加が認められたが重症度に一致しなかった。また、抗原刺激による単核球からのサイトカイン産生は、全てのハチアレルギー患者において認められなかった。今回、残り6例の患者でロイコトリエンC4とヒスタミン産生亢進が認められなかった理由として、検査時においてハチ刺傷1か月以内もしくは2週間以内にステロイド投与されていることが考えられた。本年度の研究から、ハチアレルギーの診断における好塩基球からのロイコトリエンC4やヒスタミン値を測定することは、ハチアレルギーの補助的診断の一つの方法として重要であると考えられた。しかし、重症度マーカーとして将来的に使用できるかどうかを明らかにすることはできなかった。今後、症例数を増やすことと共に、上記化学伝達物質以外にトリプターゼや血小板活性化因子(PAF)の測定や、各種サイトカイン産生においてもメッセージレベルで詳細に解析する必要性があると考えられた。
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