2007 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性炎症におけるレチノイドの機能解析と治療応用への試み
Project/Area Number |
19790693
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
植木 重治 Akita University, 医学部, 助教 (60361234)
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Keywords | 気管支喘息 / レチノイン酸 / 好酸球 / ビタミンA |
Research Abstract |
継続して検討してきた好酸球の核内受容体の機能解析、アレルギー性炎症に関する研究をすすめ、国内外に発表した。特に本研究課題であるビタミンAの活性型誘導体であるレチノイン酸に関しては、invitroの研究をすすめ国内外で学会発表を行い、現在論文投稿中である。概要は、9-cisretinoicacid(9-cisRA)とall-transretinoicacid(ATRA)が、好酸球生存に必須のサイトカインであるIL-5による作用とほぼ同等の著明なヒト好酸球生存延長作用を有することを明らかにし、これが主として核内受容体のRARを介していることを明らかにした。さらに、DNAmicroarrayにより網羅的に好酸球の遺伝子発現変化を解析した結果、約40の有意な変化を示す遺伝子を同定し、特に強い抑制が観察されたアポトーシスのシグナル分子caspase3については、realtirnePCR,活性の測定を行った。その結果、caspase3のrnRNA発現と活性は9-cisRA、ATRAにより抑制されることがわかった。レチノイン酸(1μM)はIL5(1mg/ml)とほぼ同等までcaspase3の活性を抑制しており、レチノイン酸はcaspase3の発現と活性を抑制することで好酸球の生存延長効果を発揮すると考えられた。また、培養した好酸球はATRA・9-cisRA添加により、vEGF、M-csF、McP-1が上清中に増加していたが、生存延長効果に関与していなかった。これらの結果はビタミンA誘導体が生体内において好酸球の生存延長や機能発現に関与し、好酸球の恒常性維持やアレルギー性炎症の形成に寄与している可能性を示したものであり、今後はinvivoでの検討に比重を置いくいく予定である。
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