2007 Fiscal Year Annual Research Report
無菌マウスにおける食物アレルギー発症のメカニズム解明とその治療法の確立
Project/Area Number |
19790694
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
石川 裕樹 Tokyo Medical University, 医学部, 助教 (60433918)
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Keywords | 経口トレランス / 消化管細菌叢 / 消化管粘膜免疫組織 / 食物アレルギー / Germ free マウス / 制御性細胞 |
Research Abstract |
食物抗原に対する経口トレランスの破綻は食物アレルギー発症の重要な要因の一つであり,経口トレランス成立、維持には末梢,特に消化管粘膜免疫組織(gut associatedlymphoid tissues; GALTでの制御性細胞誘導が重要な役割を果たしていると考えられている。我々はこれまでにGerm free (無菌)マウスはSPFマウスと比較しCALTが形態学的に未発達であることを報告した。すなわち腸内細菌叢によるGALTへの恒常的な刺激が経口トレランス成立に必要なGALTの正常な発達に寄与しているものと推測した。 本研究では食物抗原に対する経口トレランス誘導モデルとして、OVA 5mgまたはPBSを連続5日間経口投与し,その後OVA+Alumにて全身免疫を惹起、血清中に産生される抗体を指標として経口トレランス成立の有無を検討した。その結果PBSを経口投与されたGermfree, SPFマウスではOVA特異的IgGおよびIgEが産生された。しかしながら予めOVA経口投与されたSPFマウスでは血清中の抗体産生は検出されず,経口トレランス成立を示した。一方,Germ freeマウスでは経口トレランス成立は認められなかった。パイエル板、腸間膜リンパ節、脾臓における制御制CD25^+CD4^+細胞のFACS解析の結果,CFマウスはSPFマウスと比較してパイエル板,腸間膜リンパ節でのCD25^+CD^+細胞が約半数に減少していた。またこれらのCD25+CD4^+細胞の95%以上がFoxp3を発現しており制御性CD25^+CD4^+細胞であることが確認された。さらに制御性CD25^+CD4^+を発現しており制御性CD25^+CD4^+細胞であることが確認された。さらに制御性CD25^+CD4^+細胞上の細胞結合型TGF-βを解析した結果,SPFマウスと比較してGFマウス由来の制御性CD25^+CD4^+細胞では発現が減少していた。今後は制御性CD25^+CD4^+細胞の機能面について検討を行う予定である。
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