2007 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインeotaxin-3/CCL26の新規受容体同定と機能解析
Project/Area Number |
19790698
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中山 隆志 Kinki University, 医学部, 講師 (60319663)
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Keywords | ケモカイン / GPCR / 細胞遊走 / アレルギー / 免疫学 |
Research Abstract |
eotaxin-3/CCL26は、好酸球に高発現するCCR3のリガンドとして我々のグループが同定したCCケモカインである。CCL26は、IL-4刺激した血管内皮細胞で選択的に誘導される最もドミナントなCCR3リガンドであることが報告されている。このことからCCL26は、アレルギー性炎症における好酸球の血管外浸潤において主要な役割を果たすと考えられ、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾患において、炎症局所への好酸球浸潤に重要な役割を果たすことが示唆されている。本研究において研究代表者は、CCL26に新規受容体が存在することを見出した。そこで、本研究では、CCL26とその新規受容体との相互作用解析を通じて、CCL26の新規受容体を介した新たな生理的および病理的機能を解明する。新規CCL26受容体の安定発現細胞を作製し、CCL26による新規受容体を介した細胞内カルシウム濃度上昇と細胞遊走を確認した。また、FACS解析により、新規受容体はCCR3とは全く異なるリンパ球サブセットに発現することが明らかとなった。CCL26は新規受容体を発現するヒトリンパ球サブセットに特異的に結合し、優位な遊走反応を誘導した。今後、さらにアレルギー性疾患におけるCCL26および新規受容体の役割を明らかにするために、アトピー性皮膚炎や喘息などの臨床検体を用いたreal-time PCR解析や免疫染色によりこれらの発現と細胞浸潤や病態との相関性を明らかにする。さらに、アレルギー性疾患モデル動物におけるこれらの中和抗体を用いた治療効果についても検討する。
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