2007 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の分化誘導と活性化におけるS1P/S1P1シグナルの役割
Project/Area Number |
19790699
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
北野 将康 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (00412031)
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Keywords | スフィンゴシン1-リン酸 / 破骨細胞 / 関節リウマチ |
Research Abstract |
【研究目的】 RAでの骨破壊に対するS1Pの関与明らかにすることである。具体的には破骨細胞の分化誘導・活性化におけるS1P/S1P_1シグナルの役割と滑膜細胞のRANKL発現に対するS1Pの効果を解析する。 【研究実施計画と成果】 (1)SIPの破骨細胞分化誘導モデルに対する効果: 【結果】正常ヒト破骨前駆細胞システム(CAMBREX社)は正常ヒト破骨前駆細胞を可溶性RANKLとM-CSFで共刺激し破骨細胞を分化誘導するモデルである。この破骨細胞分化誘導システムの実験系を確立した。(HE染色で多核巨細胞,TRAP染色陽性,免疫染色でCD51/CD61陽性かつ単球系抗原:CD11b陰性を確認)今後この実験系を用いS1Pの破骨細胞分化誘導に対する効果を検討する。 (2)SIPの培養RA滑膜細胞とヒトRA滑膜細胞株(MH7A細胞)でのRANKL発現に及ぼす効果: 摘出RA患者滑膜組織より培養RA滑膜細胞を作製し以下の実験を施行した。RA滑膜細胞/MH7A細胞(RA患者由来滑膜細胞株)に対しS1P(0〜1μM)を添加培養し6・12・24・48時間培養後に培養細胞を回収しRA滑膜細胞/MH7A細胞でのRANKL-mRNAの発現をRT-PCR法で解析した。【結果】低濃度のS1P(〜0.5μM)は濃度依存性にRA滑膜細胞/MH7A細胞でのRANKL-mRNA発現を亢進した。またTNF-alpha存在下でのRANKL-mRNA発現を増強した。これらの成果はEULAR 2008で報告する。 本研究はRA病態での骨破壊におけるS1P/S1P_1シグナルの役割を解明するものである。S1Pが骨破壊に対しても促進的に作用する因子であるならば、S1P/S1P_1シグナルの制御がRAの骨破壊を含めた難治性病態の改善につながる可能性がある。
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