2008 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の分化誘導と活性化におけるS1P/S1P1シグナルの役割
Project/Area Number |
19790699
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
北野 将康 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (00412031)
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Keywords | スフィンゴシン1-リン酸 / 関節リウマチ / RANKL |
Research Abstract |
【研究目的】関節リウマチ滑膜細胞でのRANKL発現に対するスフィンゴシン1リン酸(S1P)/S1P受容体シグナルの効果の解析。【研究実施計画と成果】ヒトRA滑膜細胞株(MH7A細胞)を用い以下の検討を行った。(1)MH7A細胞におけるRANKL発現 : RT-PCR、western blot法を用いmRNA、蛋白レベルで解析した。(2)MH7A細胞でのRANKL発現に対するTNFα(100ng/ml)の効果 : MH7A細胞に100ng/mlのTNFαを添加し6時間、12時間、24時間後のRANKL mRNAのをRT-PCRで検討した。(3)MH7A細胞でのRANKL発現に対するS1P(0〜0.5μM)の効果 : MH7A細胞に0〜0.5μMのS1Pを添加し6時間、12時間、24時間後のRANKL mRNAの発現、をRT-PCRで検討した。(4)MH7A細胞でのRANKL発現に対するTNFα(100ng/ml)+S1P(0〜0.5μM)共刺激の効果 : MH7A細胞に100ng/mlのTNFαをベースに0〜0.5μMのS1Pを共に添加し6時間、12時間、24時間後のRANKL mRNAの発現をRT-PCRで検討した。(5)MH7A細胞でのS1PによるRANKL発現がGi/GO特異的阻害薬である百日咳菌毒素(PTX)で抑制可能か否か : 100mg/mlのPTXで24時間前処置した後のMH7A細胞に対して、上記(3)の検討を行いRANKL発現に及ぼす効果を解析した。【結果】MH7A細胞ではRANKL mRNAと蛋白の発現を認めた。100ng/mlのTNFα刺激はMH7A細胞でのRANKL発現を増強した。またS1Pは単独刺激で、さらにTNFαとの共刺激においても濃度依存性にMH7A細胞でのRANKL発現を増強した。MH7A細胞でのS1PによるRANKL発現増強は、PTXにより抑制可能であった。 これまでに、RA滑膜細胞におけるS1P/S1P受容体シグナルの役割として、滑膜細胞増殖とCOX-2を介したPGE2産生を促進させることを報告しているが、さらに滑膜細胞でのRANKL発現を介した破骨細胞新生にも密接に関与していることを明らかにした。S1P/S1P受容体シグナルの制御がRAの骨破壊を含めた難治性病態の改善につながる可能性があると考えられる。(研究成果はEULAR 2008、JCR 2009で発表した。)
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Research Products
(2 results)