2007 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息におけるロイコトリエン受容体拮抗薬の効果と遺伝子多型
Project/Area Number |
19790703
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
広田 朝光 The Institute of Physical and Chemical Research, アレルギー体質関連遺伝子研究チーム, リサーチアソシエイト (50435674)
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Keywords | 気管支喘息 / ロイコトリエン受容体拮抗薬 / 遺伝子多型 / 個人差、多様性 |
Research Abstract |
優れた特性を持ちながら、その効果の個人差が大きいために費用対効果が劣るとされている気管支喘息治療薬のロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)について、その効果の個人差に関与する遺伝子多型を探索した。 1 候補遺伝子のスクリーニング 候補遺伝子としてシステニルロイコトリエン産生経路に関与する7遺伝子(LTA4H,LTB4R1,LTC4S,ALOX5,ALOX5AP,GGTLA1,DOEO1)を選び、これらに関してデータベース上の既知の29SNPについてGenotypingを行った。その結果、LTC4SにおいてLTRA投与後の呼吸機能の改善率と有意な相関を示すSNPを遺伝子上流の領域に見出した。 2 LTC4S遺伝子からの遺伝子多型の抽出 有意な相関が認められたLTC4Sに関して、既知以外の遺伝子多型の有無を明らかにするため、24人の気管支喘息患者のゲノムDNAを用いて遺伝子多型の抽出を行った。その結果、11の遺伝子多型(新規の5SNPを含む)を見出した。 3 連鎖不平衡地図の作製及び代表的遺伝子多型(TagSNP)の選出 検出した11の遺伝子多型に関してアレル頻度を考慮して連鎖不平衡地図を作製し、r-square=0.8を閾値として3個のTagSNPを選出した。候補遺伝子のスクリーニングにて有意差を認めたSNPは完全連鎖不平衡のSNPを5個(遺伝子上流2個,Intron2個,遺伝子下流1個)持つ事が判明した。 4 LTC4Sの発現プロファイル 浮遊細胞、接着細胞を含めた20の細胞株にてLTC4Sの発現情報を検討したところ、THP-1(単球系),KU812(好塩基球系)での特異的な高発現が認められた。現在、これらの細胞株を用いて呼吸機能の改善率と有意な相関を示したSNP(完全連鎖の5SNPを含む)に関してアレルによる差について機能解析を行っている。
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Research Products
(6 results)