Research Abstract |
制御性T細胞(Treg)マーカーとして重要なマスター遺伝子にはFoxp3が挙げられるが,Tregsubtypeの中でFoxp3の位置づけは明確ではなく,その機序についても諸説あるが,Foxp3が何らかの機構により活性化T細胞を抑制することは確実である。そのFoxp3分子について,本研究では,採血後すぐに分離した非培養PBMC中のFoxp3^+CD^4+比率の検討を行うと同時にnTregと考えられるCD25^highCD4^+比率について検討し,臨床検査データとして検出される各種in vitroデータとの比較検討を行った。その結果,Foxp3の発現が,血清中lgE抗体,好酸球などのアレルギー疾患関連マーカーや血清中IFN-g量と逆相関していること,さらに同程度のIgE抗体,好酸球をもつ健常人と重症アレルギー疾患患者を比較検討したところ,Foxp3分子の発現は重症アレルギー疾患患者で低下していることを見いだした。これらは,アレルギー疾患発症に関わる重要な世界初の知見であり,また競争の激しい研究分野であるが,JAllergy Clin Immunolに投稿,掲載された。 一方,Tr1については既知の方法に基づき2種の細胞群を誘導して検討を重ねている。これまで健常成人末梢血液により,in vitroにて誘導した2種のTr1それぞれが活性化T細胞に対する増殖抑制とともに,Th1/Th2サイトカインの産生抑制機序の検討を行ってきた。これまで機能分子の候補としてIL-10に加えTGF-β1,GITR,CTLA4の4分子を想定して検討を行ってきた。今後,更なる検討を重ねる予定である。
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