2008 Fiscal Year Annual Research Report
制御性T細胞によるTh2抑制機序の解明と臨床応用のための基礎的研究
Project/Area Number |
19790704
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
折原 芳波 National Research Institute for Child Health and Development, 免疫アレルギー研究部, 共同研究員 (60450623)
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Keywords | 制御性T細胞 / Th2 / アレルギー / Foxp3 / Tr1 / IL-10 |
Research Abstract |
制御性T細胞(Treg)によるTh2抑制機序について、Foxp3^+CD4^+細胞およびFoxp3^-CD4^+の細胞から誘導されるIL-10^+CD4^+のTr1細胞を中心に解析をしてきた。 Tr1については既知の方法に基づき2種の細胞群を誘導して検討を重ねている。これまで健常成人末梢血液により、in vitroにて誘導した2種のTr1それぞれが活性化T細胞に対する増殖抑制とともに、Th1/Th2サイトカインの産生抑制機序の検討を行ってきた。機能分子の候補としてIL-10に加えTGF-β1、GITR、CTLA4の4分子を想定して検討を行い、2種のTr1のうち1種については、GITR が関わっていることを示唆するデータを得たが、他分子の関与を含む複雑な制御システムの存在が示唆された。また、Th1、Th2、Foxp3^+CD4^+Treg。Tr1、に加えてTh17を含めたT細胞のバランス制御を目指したTh17も進んできている。 当初、抗原特異的な標的Tr1を誘導することを考えていたが、実験上成功しても倫理上の問題でいまだ臨床応用への道のりが遠く思われる。このことから、これらの細胞の特性をより細分化して把握すべく、細胞の分化に焦点を移し、現在、2分子に着目して解析を進めている。アレルギー疾患治療を目標としたTr1細胞誘導のための臨床応用にはT細胞分化の段階での治療が可能になれば根本治療が可能となる可能性があり、今後さらに注目されてくる分野だと思われる。
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Research Products
(7 results)