2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい遺伝子検査MLPA法による小児髄鞘化障害関連遺伝子検索と髄鞘化過程の検討
Project/Area Number |
19790706
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植松 貢 Tohoku University, 病院, 助教 (90400316)
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Keywords | 先天性髄鞘化障害 / PLP1遺伝子 / GJA12遺伝子 / MLPA法 / ダイレクトシークエンス法 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
平成20年3月時点で、先天性髄鞘化障害の症例を他施設からの検体も含めて7例収集した。実験計画に従い、症例の血液からDNAを抽出し、PLP1遺伝子とGJA12遺伝子について、MLPA法及びダイレクトシークエンス法にて遺伝子解析を行った。まずPLP1遺伝子について、既製のMLPAキット(ファルコバイオシステムズ)を用いて解析を行い、安定した検査結果を得ることに成功した。次に髄鞘化障害の7症例について解析を行ったところ、MLPA解析では異常を認めなかったが、ダイレクトシークエンス解析にて男児例でPLP1遺伝子にミスセンス変異を認めた(Pelizaeus-Merzbacher病)。また、GJA12遺伝子については既製品がないため、MLPA用のプライマーを新たにデザインし、安定した結果を得ることに成功した(これまで報告はない)。このプライマーをPLP1用のプローブと混合して同時に解析を行い、これも安定した結果を得ることができた。これにより、一度の解析でPLP1とGJA12の2つの遺伝子の微小欠失、重複が一回の解析で可能となり、簡便で低コストな解析系を確立し得た。これを用いてGJA12のMLPA解析を行ったが、異常を認めなかった。ダイレクトシークエンス法では、一症例にミスセンス変異を認めたが、1アリルの変異のため、病因遺伝子変異かどうかについてはまだ明らかではない。現在MBPのMLPAとダイレクトシークエンス用のプライマーデザインを行っている。今後、M6B、Id4遺伝子の解析系も確立する予定であり、また2008年5月の小児神経学会において、これらの成果を報告するとともに、新たな解析症例獲得を目指す予定である。
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