2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい遺伝子検査MLPA法による小児髄鞘化障害関連遺伝子検索と髄鞘化過程の検討
Project/Area Number |
19790706
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植松 貢 Tohoku University, 病院, 助教 (90400316)
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Keywords | 先天性髄鞘化障害 / PLP1遺伝子 / GJA12遺伝子 / MBP遺伝子 / HSP60遺伝子 / MLPA法 / ダイレクトシークエンス法 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
平成21年3月時点で、先天性髄鞘化障害の症例を他施設からの検体も含めて計16例(うち今年度9例)収集した。実験計画に従い、昨年度実験系を確立したPLP1遺伝子とGJA12遺伝子に加えて、髄鞘を形成する重要な構造蛋白で遺伝子異常の報告がないmyelin basic protein(MBP)遺伝子について、MLPA法及びダイレクトシークエンス法を用いて遺伝子解析を行った。方法は、昨年度作成したプライマーセット(既製のPLP1遺伝子用のMLPAキット(ファルコバイオシステムズ)に独自に作成したGJA12のプライマーをmixしたもの)に、さらにMBP遺伝子の各Exonに対応したプライマーを作成してmixし、これも安定した検査結果を得ることに成功した。これにより、一回の検査で髄鞘化の主要な蛋白であるPLP1、GJA12、MBPの遺伝子コピー数異常を簡便かつ安価にスクリーニングすることが可能となった。次に髄鞘化障害の16症例について解析を行い、昨年発見したPLP1遺伝子のミスセンス変異1例(Pelizaeus-Merzbacher病)と、GJA12遺伝子の1アリルの変異1例以外に、本年度は検索した遺伝子において新たな変異は見つからなかった。しかし、染色体検査でMBP遺伝子を含む領域の微細欠失が疑われた症例について解析を行った結果、MBP遺伝子のコピー数が正常であることを確認することができた。現在も症例解析の依頼が全国から集まりつつある状況であり、引き続き解析を行っていく予定である。現在次のスクリーニング遺伝子として、髄鞘化障害の家系において新たな遺伝子異常の報告がなされた(Neurology, 2008)HSP60遺伝子について、解析の準備を行っている。研究成果について、2008年の小児神経学会総会において研究成果を報告した。さらに2009年度中に論文報告を行う予定。
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Research Products
(1 results)