2007 Fiscal Year Annual Research Report
血球貪食症候群症例における臓器障害メカニズムの細胞レベルでの解明
Project/Area Number |
19790709
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
田村 一志 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (70396646)
|
Keywords | 血球貪食症候群 / 高サイトカイン血症 / サイトカイン / ケモカイン / 臓器障害 / 治療反応性 / 共培養細胞系 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
1.研究目的 血球貪食症候群は、高サイトカイン血症による臨床症状、検査所見の変化をきたす疾患群である。本研究では、現疾患別に病初期より経時的に採取された血清中サイトカインと臨床プロファイルを解析することで高サイトカイン血症に基づく病態の解明を目指していく。さらに培養細胞においての、各種サイトカインによるシグナル伝達物質やアポトーシス関連分子の活性化を解析することで、臓器障害メカニズムを細胞レベルで解明していく。 2.研究実施経過 (1)血球貪食症候群症例の血清保存 原疾患別の血球貪食症候群症例の患者血清を自施設および他施設より提供して頂いた。 (2)サイトカイン濃度の測定 血球貪食症候群7症例より経時的に採取した血清に関して、約20種類のサイトカイン濃度をBio-Plex Assay Kit Systemにより測定した。 (3)サイトカイン濃度の変動の解析 サイトカイン濃度の経時的な変動を、治療反応性や臨床血液データと合わせて解析を行った。また、コントロール血清中のサイトカイン濃度と比較解析したところ、血球貪食症候群症例の急性期において各コントロール群と比較し、IL-2、TNF-α、MCP-1、MIP-1β、IL-8、IFN-γ、IP-10濃度の高値を認めた。特にMCP-1とMIP-1β、IL-8に関しては、より鋭敏な変動を示すことがみとめられた。 以上の結果より、血球貪食症候群の病態において、MCP-1とMIP-1β、IL-8が重要な役割を果たしており、治療効果の判定に有用なマーカーとして期待できると思われる。今後はこの結果をもとに、これらサイトカインを培養細胞系へ作用させ、形態変化や細胞内シグナルの活性化を解析することで臓器障害メカニズムの細胞レベルでの解明につなげていく。
|
Research Products
(4 results)