2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎児腎臓幹細胞分化の分子基盤解明とそのアッセイ法の開発
Project/Area Number |
19790710
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼井 丈一 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70447340)
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Keywords | 腎臓発生 / 幹細胞 / 再生医学 |
Research Abstract |
iPS細胞を含む幹細胞医療の臨床実現化を念頭に置いた際に、発達臓器の分化制御プロセスを詳細に解析し、幹細胞の再生プロセスに応用することは重点課題である。胎児腎臓(後腎間葉)の発生プロセスを解明するための研究基盤としてまず後腎間葉における幹細胞・前駆細胞レベルの高度かつ安定した純化方法の開発を必須である。分化プロセスへの幹細胞システムの導入を評価するにあたり、クローナルなin vitro、in vivoでの分化アッセイ系の確立を目指し研究を遂行した。1. ES細胞、iPS細胞と腎臓欠損マウスとの間でキメラマウスを作成することによる発達腎臓のin vivoアッセイ系の再現に成功し公表した。2. 同時に、腎臓発生に必須な分子であるwnt4蛋白過剰発現フィーダー細胞との共培養でのコロニーアッセイを行い、幹細胞・前駆細胞活性のある細胞群を判定するin vitroアッセイ系の再現にも成功した。3. フローサイトメトリーを用いマウス胎仔後腎における表面抗原の網羅的発現解析を行い、一部の細胞群を選別可能な表面マーカーを6ケ同定し、side population細胞の存在を確認した。現在この解析成果を元に細胞の選別を行い、確立したアッセイ系を用い幹細胞・前駆細胞活性のある細胞集団を判定している。今後さらにより効率の良いin vivo、in vitroアッセイ系の確立を目的とした腎臓幹細胞ニッチ(最適分化環境)の解明を目指す。成果に関して、国内外の学会発表および英文論文投稿を継続して行う。
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