2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790711
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
本名 浩子 University of Yamanashi, 医学部・附属病院, 医員 (50377537)
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Keywords | 臍帯血移植 / graft-versus-leukemia効果 / KIRリガンド不一致 |
Research Abstract |
NK細胞の抑制型レセプターKIRs(killer cell Ig-like receptors)のリガンドであるHLA-C抗原のグループ(C1,C2)のdonor/recipient間の不一致によって,同種造血幹細胞移植後にGVL(graft-versus-leukemia)効果が発揮されることが報告されている。臍帯血中のNK細胞を用いて,NKレセプターの発現,MLL遺伝子再構成陽性急性リンパ性白血病(ALL)細胞株に対する細胞傷害活性についてHLA-Cのグループ別に検討し,さらに成人末梢血中のNK細胞と比較した。【結果】1,臍帯血のNK細胞もKIR(158a,158b)を発現していたが,成人末梢血中のNK細胞と比較すると,CD158bの発現は有意差をもって低かった。2,その他のNKレセプターの発現は,成人末梢血,臍帯血全てのドナーにおいてNKG2Dは比較的高い発現を示したが,NKG2Aの発現は低く,NKG2Cはドナー間で様々であった。またNCRs(natural cytotoxic receptors)の中ではNKP30,NKp46と比較し,NKp44の発現は著明に低かった。さらに臍帯血と成人末梢血を比較すると,臍帯血の方がNKG2A,NKp30,NKp44の発現が有意に高かった。3,臍帯血のNK細胞において,HLA-C1C1型ALL細胞株に対する傷害活性は,C1C1型NK:細胞よりC1C2型NK細胞を用いた方が高かった(成人末梢血のNK細胞においても同様の結果であることを報告している)。4,C1C1型ALL細胞株に対する傷害活性は,臍帯血,成人末梢血の両者で差は認めなかった。[結論】従って臍帯血においても,MLL遺伝子再構成陽性ALL細胞に対して,KIRリガンド不一致によるNK細胞のalloreactivityが発揮されると考えられ,臍帯血移植への応用も期待される。
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Research Products
(2 results)