2007 Fiscal Year Annual Research Report
PD-1経路と小児I型糖尿病:疾患感受性と遺伝子発現解析
Project/Area Number |
19790731
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堤 康 Kyushu University, 大学病院, 助教 (80419564)
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Keywords | 内分泌学 / 免疫学 / 遺伝学 / I 型糖尿病 |
Research Abstract |
本研究は、日本人におけるPD-1、PD-L1、PD-L2各遺伝子多型頻度を明らかにすること、各多型内の連鎖不均衡を検討すること、日本人1型糖尿病患者におけるPD-1、PD-Ll、PD-L2各遺伝子の遺伝子多型頻度を解析し、1型糖尿病との疾患関連解析を行うこと、また関連性の見出されたハプロタイプについて、その機能解析を行うことを目的としている。我々はこれまでに小児1型糖尿病患者集団、全身性エリテマトーデス患者集団と健常コントロール集団間で各分子の発現量を検討し、その結果、1型糖尿病患者の末梢血CD4陽性T細胞において、他の2群に比べ、T細胞活性化を抑制する補助シグナル分子であるPD-1遺伝子の発現量が有意に低下していることを報告している。平成19年度は、血縁関係のない健常児100名を対象に、日本人集団におけるPD-1遺伝子、ならびにそのリガンドであるPO-L1遺伝子とPD-L2遺伝子の遺伝子多型をスクリーニングし、その結果以下の遺伝子多型を見出し、日本人におけるPD-1、PD-L1、PD-L2各遺伝子の遺伝子多型に関して、健常児250名を対象として解析し、各遺伝子多型頻度を明らかにした。そして得られた遺伝子型データを利用して、PD-1遺伝子のハプロタイプが日本人の小児I型糖尿病の病態に関与していることを報告している。本研究により、1型糖尿病発症におけるPD-1ファミリーの意義を明らかにすることにより、1型糖尿病の発症メカニズムの一端を解明することができれば、未知な部分が多い日本人における1型糖尿病の早期診断や発症予防等に応用の可能性が生まれてくる。
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