2007 Fiscal Year Annual Research Report
Wilson病患者における肝障害発症機序の解明と治療
Project/Area Number |
19790743
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
藤澤 千恵 Teikyo University, 医学部, リサーチフェロー (10393000)
|
Keywords | Wilson病 / 肝臓内銅濃度 / アポトーシス / ミトコンドリア損傷 / 肝臓組織学的検索 |
Research Abstract |
本年度研究成果として以下の結果が得られた。LECラットの肝臓内銅濃度を生後継時的に測定した結果、生後2週齢から一度肝臓内銅濃度が増加したが、4週齢でその濃度が低下した。しかしながら急性肝炎で死亡するとされる12週齢前の9週齢で再度銅濃度の増加が認められた。また、9週齢の増加は個体差が認められた。この個体差は劇症肝炎による死亡か、生存し慢性肝炎から肝硬変、肝ガンへと移行するかの違いに関与すると考えられる。また、これらLECラット肝臓内銅濃度は全週齢を通じてLEAラット肝臓内銅濃度よりも高い銅濃度を示した。LECラット肝臓の組織学的変化をHE染色にて確認したところ、銅濃度が低下する4週齢では組織学的な著しい変化は認められなかった。しかしながら、銅濃度が上昇後の10週齢ごろより核拡大、水腫性変性などの組織学的変化が認められた。これらの組織学的変化には肝細胞のアポトーシスが関与していると考え、アポトーシスの染色を試みた。生後4週でアポトーシスは観察され、8週齢あたりでピークとなった。その後アポトーシスは減少し、生後9〜10週ではアポトーシスが観察できない部位もあった。これらアポトーシスはミトコンドリアの損傷により起こると考え、ミトコンドリア経路でのアポトーシスの指標であるcaspase-3とcytochromeCの免疫組織学的染色を行った。caspase-3とcytochrome Cともにアポトーシスの認められる前の7週齢でピークが認められた。また、銅濃度が再度上昇する9週齢〜10週齢においてもこれらの発現が認められた。今後検体数を増やし更なる検討を行うとともに、生後2週齢前後のミトコンドリア経路のアポトーシスの検出を行うことが必要である。更に、これらのアポトーシスに活性酸素が関与していると考えられることから活性酸素、およびレドックス制御を検討することが重要である。
|
-
[Journal Article] The first reported case of Menkes disease caused by an Alu insertion mutation.2007
Author(s)
Gu, Y・Kodama, H・Watanabe, S・Kikuchi, N・Ishitsuka, I・Ozawa, H・Fujisawa, I・Ozawa, H・Fujisawa, C・Shiga, K.
-
Journal Title
Brain Dev. 29(2)
Pages: 105-8
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-