2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790750
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長尾 和右 Kitasato University, 医学部, 助教 (60392487)
|
Keywords | Holoprosencephaly / Mddle interhemispheric valiant / SIX3 / EYA4 / Sonic hedgehog / Gli |
Research Abstract |
全前脳症 (Holoprosencephaly : HPE) は胎齢18-28日に生じる脳の左右分割不全による先天性の脳奇形である。原因遺伝子としてはSonic hedgehogをはじめとして様々な遺伝子の報告があるが、約70%の患者ではその原因遺伝子は不明である。今回我々はHPEの希な亜型であるMddle interhemisphedc vadantの症例においてコピー数解析用高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイ解析を行い、6番染色体長腕6q22.31-q232に10.4Mbpの欠損があることを見いだした。この欠損領域は今までに報告がなく、既知のHPE原因遺伝子は含まれないが、既知の原因遺伝子のひとつであるSIX3の属するSIXファミリーとの分子相互作用が知られているEYZファミリーのひとつである"EYA4"のプロモーター領域からエクソン2までが含まれていた。そこで今回EYA4と転写因子として知られるSD(3との相互作用について、分子細胞生物学的手法を用いて解析し、原因候補遺伝子としての可能性について検討を行った。まず、マウス胚におけるEya4の発現をWhole-mount in situ hybddizadonにより調べ、E8.0よりE12.5まで前脳・終脳で発現していることを確認した。次に蛍光タンパク質と融合させ高発現させたEYA4は、単独では細胞質、核の両方に分布したが、核タンパク質であるSIX3と共に発現させると核に分布が移動した。両者は免疫沈降法で共沈降し、Gli結合配列を用いたルシフェラーゼアッセイでEYA4はSIXの転写活性化作用を増強させた。以上より、EYA4はSIX3と結合することでSIX3の作用を変化させることが示唆され、初期発生におけるEYA4発現の量的異常がSIX3の働きに影響し、HPEを発症させる可能性が考えられた。
|