2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790773
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
茂木 精一郎 Gunma University, 生体調節研究所, 研究員 (20420185)
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Keywords | SHPS-1 / CD47 / 樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 / T細胞 / 接触皮膚炎 / 細胞間相互作用 / サイトカイン |
Research Abstract |
受容体型分子SHPS-1は細胞質領域にチロシンリン酸化部位をもち、細胞質型チロシンポスファターゼSHP-1/SHP-2と結合し細胞内にシグナルを伝える。SHPS-1は、皮膚においては、ランゲルハンス細胞や樹状細胞に高い発現が認められている。また、SHPS-1はその細胞外領域のリガンドである膜蛋白質CD47と細胞間シグナル伝達システムCD47-SHPS-1系を形成する。本研究では、皮膚免疫病態モデルである、接触皮膚炎モデルマウスを用いて、接触皮膚炎におけるCD47-SHPS-1系の関与について検討した。SHPS-1遺伝子破壊マウスでは接触皮膚炎の発症が抑制されたが、CD47遺伝子破壊マウスでは抑制されなかった。また、CD47とSHPS-1との結合を阻害する抗体を新たに作成し、その抗体を含めた抗SHPS-1抗体、および抗CD47抗体投与による接触皮膚炎への影響について検討した。その結果、SHPS-1とCD47の結合を阻害する抗SHPS-1抗体、結合を阻害しない抗SHPS-1抗体のいずれの投与によっても接触皮膚炎の発症が抑制された。一方、SHPS-1とCD47の結合を阻害する抗CD47抗体では発症は抑制されなかった。これらの結果から、接触皮膚炎において、SHPS-1がその機能制御の一部を担っている可能性が想定された。また、その制御はCD47との結合に依存しない可能性が示唆された。抗SHPS-1抗体の投与によって、接触皮膚炎の発症が抑制されたことより、本研究の成果は、将来、接触皮膚炎や乾癬、アトピー性皮膚炎などの皮膚免疫疾患の病態形成の解明や新しい治療法の開発の端緒となることが期待される。
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