2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫の進展・転移のメカニズム-ケモカイン受容体の制御因子に関する研究
Project/Area Number |
19790774
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柿沼 誉 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (30332604)
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Keywords | 悪性黒色腫 / CXCR4 / CCL27 / CCR10 / 有棘細胞癌 |
Research Abstract |
悪性黒色腫の細胞株WM115、WM793B、WM1552C、1205Luを用いてin vitroにおけるケモカイン受容体CXCR4の発現を検討した。WM115、WM793Bにおいては発現を認めず、WM1552Cにおいて約5%、1205Luにおいて20%の発現を認めた。また1205LuのCXCR4発現制御を確認するためH202を加えたところ、その増強を認めたて(30-40%)。次に黒色腫におけるaggressiveマーカーCD146の発現を検討した。上記4つの細胞株においてCD146の発現は認められ(約40%)、細胞株間での明らかな差は見いだせなかった。更にH202刺激下でCD146の制御を観察したが、発現に差は認められなかった。従って、CD146とCXCR4とは各々が独立して黒色腫細胞に存在し、その制御は全く異なっているものであると考えられた。 一方で、皮膚癌である有棘細胞癌についても検討を行った。皮膚正常ケラチノサイトは皮膚特異的ケモカインCCL27を産生する。我々は有棘細胞癌病変部を免疫組織学的に検討したところ、癌細胞ではCCL27が周囲の正常皮膚と比べ強く染色された。更に有棘細胞癌の細胞株A253、A432を用いてCCL27のin vitroでの産生をELISAにて測定したところ、CCL27が産生される結果が得られた。またその受容体であるCCR10の発現も免疫組織学的に検討し、CCL27と同様の局在を確認した。このことから、癌細胞においてはリガンドー受容体の関係が重要であることが考えられ、今後更に検討を加える予定である。
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Research Products
(1 results)