2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫の浸潤転移におけるBRAF変異とTWISTの関与
Project/Area Number |
19790780
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤本 晃英 Kanazawa University, 医学系研究科, 協力研究員 (40334776)
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Keywords | 悪性黒色腫 / BRAF / TWIST |
Research Abstract |
本研究は、悪性黒色腫におけるBRAF変異遺伝子とTWISTの発現の関連を調べ、黒色腫発生におけるBRAF変異遺伝子の役割および腫瘍が浸潤・転移していく過程でのTWISTの役割を調べる。 1)TWIST免疫組織化学 悪性黒色腫の原発腫瘍13例、転移腫瘍13例のパラフィン切片を用いてTWISTの免疫組織化学染色を行い、タンパクレベルでのTWISTの発現頻度を調べた。原発腫瘍では強陽性3例、中等度陽性9例、弱陽性1例で転移をきたしたものでは発現が弱い傾向が見られた。転移腫瘍では強陽性5例、中等度陽性8例、弱陽性0例で原発腫瘍より発現が強い傾向が見られた。 2)TWIST Methylation-specific PCR 悪性黒色腫の腫瘍DNAを用いTWISTのMethylation-specific PCRを行いTWISTのpromotorのメチル化の状態を調べた。2種類のprimerを設計したが、悪性黒色腫原発腫瘍6例、転移腫瘍12例のいずれにもメチル化は検出できなかった。 以上の結果から悪性黒色腫ではTWISTは脱メチル化され比較的高頻度に発現されている。TWISTは本来転移を抑制する方へ作用するとされているが、転移腫瘍や転移をきたした原発腫瘍でより発現を認めた今回の結果はそのTWISTの作用と反するもので、TWISTの発現の調節に何らかのフィードバック機序が働いているものと思われる。今後はBRAF変異遺伝子とTWISTの発現調節について調べる予定である。
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