Adipocytokineによる皮膚有棘細胞癌の分化誘導療法

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19790791
• Research Institution: Saga University
• Principal Investigator: 井上 卓也 Saga University, 医学部, 講師 (50380754)
• Keywords: 皮膚癌 / 分化誘導療法 / adiponectin

Research Abstract

皮層有棘細胞癌の分化誘導療法につなげる結果を求めて、実験を継続した。19年度、20年度の実験では、adiponectinの投与によるDJM-1細胞の層構造への影響は認められず、増殖抑制能、分化促進能ともにadiponectinによる影響の存在を証明できなかった。引き続きadiponectinの投与によるDJM-1細胞の増殖、層構造の構築の程度について検討を続けたが、明瞭な結果は認められなかった。DJM-1細胞の増殖について、テトラゾリウム塩を用いた増殖試験を行ったが、adiponectinの及ぼす影響について、明瞭な結果は認められなかった。培養条件下において、単離した成熟脂肪細胞がDJM-1細胞におよぼす影響がどの因子によって引き起こされるかは、現時点で解明することは出来ていない。
Adiponectin以外のサイトカインが影響している可能性も考えられるが、これまでのところ皮膚有棘細胞癌の分化誘導療法につながるようなサイトカインを同定することは出来ていない。今後の課題が残る。