2008 Fiscal Year Annual Research Report
強皮症における抗酸化酵素peroxiredoxin Iに対する自己抗体の解析
Project/Area Number |
19790792
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩田 洋平 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (60437861)
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Keywords | 全身性強皮症 / Peroxiredoxin I / 酸化ストレス / 自己抗体 / 肺線維症 |
Research Abstract |
<研究成果> 1) 免疫ブロット法によるIgG型抗Prx I抗体の確認 ELISA法では、全身性強皮症(SSc)患者の33%でIgG型抗Prx I抗体が陽性であることが明らかとなったため、この自己抗体の存在を免疫ブロット法にて確認した。ELISA法でIgG型抗Prx I抗体が陽性であったSSc患者血清は、Prx Iと反応し25kDaにバンドを認めた。対照的に、IgG抗Prx I抗体陰性SSc患者および健常人ではこのバンドは認められなかった。このことから、SSc患者におけるIgG抗Prx I抗体の存在が免疫ブロット法により確認された。 2) 抗Prx I抗体のPrx I抑制アッセイ ELISA法にて抗Prx I抗体陽性SSc患者より抽出したIgGは、有意に(平均59%)Prx Iの酵素活性を抑制した。対照的に、抗Prx I抗体陰性SSc患者および健常人より抽出したIgGはPrx Iの酵素活性を抑制しなかった。このことから、IgG型抗Prx I抗体はPrx Iの酵素活性を抑制することが示唆された。 <今回の研究の意義> 今回の研究で、SSc患者血清中にIgG型抗Prx I抗体が存在することがELISA法および免疫ブロット法で確認された。さらに、IgG型抗Prx I抗体はPrx Iの酵素活性を抑制したことから、抗Prx I抗体がPrx Iの活性を抑制しSScにおける酸化ストレス過剰状態やそれに伴う病態形成に関与している可能性が示唆された。
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