2008 Fiscal Year Annual Research Report
ケラチノサイトの接着と運動におけるMAPKKKキナーゼMINKの役割
Project/Area Number |
19790794
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
武居 公子 University of the Ryukyus, 医学研究科, 助教 (90325861)
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Keywords | ケラチノサイト / 細胞間接着 / MAPKKKキナーゼ / Rap2 |
Research Abstract |
MINKはストレス応答性MAPキナーゼ(JNK、p38)を制御するMAPKKKキナーゼであり、私共は最近MINKがras癌遺伝子産物の類縁分子Rap2により活性化される標的分子であることを報告した。Rap2とMIMは培養ケラチノサイト細胞株の細胞間接着部位に共局在して観察されることから、両者はこの細胞株の接着や運動に関与する可能性が高い。多くの上皮系細胞と異なり、この細胞株ではHGFによるscatteringが見られないこと、wound healing assayでMINKまたはRap2のRNAiにより細胞遊走が促進されたことから、Rap2-MINK系が細胞間接着を強化し細胞運動を抑制してこの細胞株の集団遊走を負に制御すると考えた。しかし、MINKやRap2をRNAiしてもHGFによるscatteringが見られないことから、Rap2-MINK系以外の機構も細胞間接着の強化と細胞運動の抑制に寄与している可能性がある。ラット脳を用いたアフィニティー精製の結果、MINKの結合蛋白としてシナプス後部足場蛋白であるTANC1を同定した。MINKは細胞内でRap2により活性化され、TANC1をリン酸化した。またRap2、MINK、TANC1はケラチノサイト細胞株の細胞間接着部位に共局在していた。TANC1はPSD95やSAP97等のシナプス後部足場蛋白と複合体を形成するが、免疫染色の結果、これらの蛋白もケラチノサイト細胞株の細胞間接着部位に局在したので、Rap2-MINK系は足場蛋白との結合やリン酸化によって細胞間接着や運動を制御する可能性がある。
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Research Products
(3 results)