2007 Fiscal Year Annual Research Report
ループスエリテマトーデスにおける肥満細胞の多機能性の検討
Project/Area Number |
19790799
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
吉益 隆 Wakayama Medical University, 医学部, 博士研究員 (00364092)
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Keywords | ループスエリテマトーデス / 肥満細胞 / ヒスタミンレセプター |
Research Abstract |
ループスエリテマトーデスの自然発症モデルであるMRL/lprマウス(5ヶ月齢)の皮疹部の真皮において,多数の肥満細胞の浸潤を病理組織で認めた。MRL/lprマウス(2ヶ月齢)の無疹部には肥満細胞の浸潤は認めなかった。これらの皮疹部における多数の肥満細胞にヒスタミンレセプター2(H2R)の発現が,我々の免疫組織学的検討にて確認している。我々は,ヒトループスの皮疹,部においても,同様の所見がみられるかどうかを検討した。全身性ループスエリテマトーデス(SLE)7名と,円板状ループスエリテマトーデス(DLE)2名において,それぞれの皮疹部には無疹部に比べ,CD4陽性T細胞,CD8陽性T細胞と多数の肥満細胞の浸潤を確認した。 DLEでは,SLEの皮疹部に比べて,真皮に多数のCD8陽性T細胞の浸潤を認めたが,肥満細胞の浸潤に関してはSLEと差はなかった。また,H2Rの発現はSLEとDLEの皮疹部において真皮にみられたが,ヒスタミンレセプター1(H1R)の発現はループスのマウスモデルと同じように発現は認めなかった。H2Rの発現が,真皮に浸潤するT細胞か肥満細胞か,もしくは血管内皮細胞なのかどうかは現在検討中である。今後,ヒトループスの症例数を20ぐらいまで増やして,なぜ皮疹部に肥満細胞が増えているのかどうかを,ヒスタミンレセプターの発現を中心に検討していく予定である。また,ループスモデルマウスとヒトループスにおける肥満細胞の役割の違いについて,最終的な結論を出したい。
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Research Products
(4 results)