Research Abstract |
当大学動物実験施設においてMHVによる汚染が発生し,影響が長引いたこともあり,当初予定していたScripps InstituteからのDCIRノックアウトマウスの導入は断念し,代わりに主にin vitroでの強制発現の系を用いて,種々の抗体の特異性の解析を行った。以前よりBDから供給されていた抗樹状細胞抗体33D1がDCIR2を認識することが報告され(JEM 2006),これについても検討した。まずマウスDCIR1,2,DCAR,dectin-2の全長cDNAをpEF-BOSとpCMXベクターにクローニングしたものを作成し,それぞれを293T細胞にtransfectionし,細胞表面に発現させた。DCARとdectin-2についてはFcRγ鎖との共発現も行った。これらの細胞に対し,手持ちの2つの抗DCIRペプチド抗体(JID 2002),R&Dの各種抗DCIR,DCARモノクローナル抗体,BDの33D1を用いてFACS解析を行った結果,後3者がそれぞれDCIR1,DCAR,DCIR2に特異的に反応することを確認した。この結果を受け,正常,紫外線照射後,ピーリング剤塗布後,DNCB接触皮膚炎のマウス皮膚の凍結切片を経時的に調整し,各抗体による染色を試みている。また,東京大学医化学研究所岩倉研究室において作製され,高齢になると自己免疫性関節リウマチ様の関節炎を発症するDCIR1ノックアウトマウス(Nat Med 2008)の供与について,手続きをすすめている。
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