2007 Fiscal Year Annual Research Report
なぜ白癬菌は表皮角層内に存在するだけで炎症を惹起するのか-自然免疫から探る-
Project/Area Number |
19790807
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
小林 美和 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 講師 (00341503)
|
Keywords | 表皮ケラチノサイト / β-glucan / 白癬菌 / ヒスタミン / 自然免疫 |
Research Abstract |
真菌成分を添加した培養ケラチノサイト産生サイトカイン、ケモカインの検討 表皮角化細胞に真菌要素であるβ-glucanを添加培養すると、10μglm1をピークにIL-8、IL-1αの産生充進が見られた。しかし、Th1、Th2ケモカインの産生には影響がなかった。Trichophy七in液による刺激では、明らかな濃度依存性は認められなかったが、10-5PNUlm1付近の濃度でIL-8の産生充進を認めた。 真菌成分を添加した培養KCにおけるinnate immune proteinsの発現 β-glucanの添加により影響を受けると考えられる自然免疫関連蛋白として、TLR1、TLR2、TLR6、Dectin-1、β-defensinについて、real-timePCRでmRNAの発現を見た結果、Dectin-1、β-defensinの発現量亢進がみられた。そこで、β-glucanと同時にヒスタミンを添加し、同様系を検討したところ、すべてのmRNAの発現が相乗的に亢進した。次に、蛋白レベルでの発現を確認するために、β-glucanと同時にヒスタミンを添加した系でTLR2抗体を用いたフローサイトメトリー解析を行った結果、細胞表面のみを染色した場合より、細胞質内を染色した場合の方が、より発現量の変化を検出しやすいことが分かった。このことを確認するために、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、やはり細胞質内の発現量の変化が、より検出しやすいことが確認された.
|