2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790810
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
吉木 竜太郎 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (30412646)
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Keywords | 植皮 / 免疫抑制 / サイトカイン / Lanerhans細胞 |
Research Abstract |
1.マウス植皮部におけるLC数およびdermal DCの変化 植皮部における抗原提示細胞(LC,dDC)は植皮をしていないものと比較してその数は優位に減少していた。さらに抗原を塗布することで所属リンパ節に遊走する抗原提示細胞の数も優位に減少していた。この結果は植皮を行うことで抗原提示細胞の数は減少するが、その遊走能自体は保たれていることを示す。さらにリンパ球に対しなんらかの免疫学的作用を及ぼす可能性を示唆するものである。 2.植皮部のLCおよびその他の皮膚構成細胞からの経時的なサイトカイン量測定 申請者らは植皮部LCからIL-10の産生が優位に上昇していることを確認した。IL-10はregulatoryT細胞の増殖および作用に重要であり、所属リンパ節において抗原特異的regulatory T細胞を誘導することも確認した。このregulatory T細胞を未感作マウスに移植した後に同様の抗原で感作、惹起を行うと惹起反応の低下が生じた。この結果は経植皮部感作により誘導されたregulatoryT細胞が感作の抑制作用を有することを示すものである。 さらに申請者はIL-10産生LCの誘導に植部表皮ラチノサイトから発現するRANKLが重要であることを確認した。RANKLはUVB照射部ケラチノサイトに発現し、抗原特異的regulatory T細胞を誘導することが知られている。この結果はUVB照射、もしくは植皮など皮膚に外的ストレスを与えたときに生じる抗原特異的免疫抑制反応のメカニズム解明に重要な役割を果たすものと考えられる。
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