2007 Fiscal Year Annual Research Report
NMDA受容体作動薬であるDセリンの認知機能改善の機序-サルを用いたPET研究-
Project/Area Number |
19790814
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 茂幸 Hamamatsu University School of Medicine, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (10382201)
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Keywords | 脳・神経 / 認知科学 / サル / PET / NMDA受容体 |
Research Abstract |
サルPET測定の準備として、成熟アカゲザル(5歳)の頭部MRI撮像・モンキーチェア馴化訓練・頭部固定用プレートの頭蓋骨への装着手術を行った。頭部MRIは、ネンブタール麻酔下で3テスラのMRI装置にて撮像した。モンキーチェア馴化訓練は、サルを覚醒状態のままケージからチェアに移動させ、チェア上で給餌することにより毎日2時間程度1ケ月の間馴化させた。頭部固定用プレートは、ネンブタール麻酔下でサルを脳定位固定装置に固定し、デンタルセメントを用いてプレートを装着した。 2週間の体力回復期間を経たのち、サル脳内NMDA受容体活性を調べるために放射性標識化合物[^<11>C]GMOMを用いてPET測定を行った。PETデータは現在解析中である。 認知行動実験に関しては、タッチパネル、スイッチ、給水装置から成る行動実験装置を組み立て、成熟アカゲザルに遅延見合わせ課題を遂行させた。タッチパネルに表示された視覚刺激に触れれば報酬が与えられる予備実験を通じて、サルを行動実験装置に充分馴れさせた。その後、表示刺激数や遅延時間の条件を変えながら遅延見合わせ課題を行い、4つの表示刺激数・遅延時間8秒の条件において正解率90%を維持できることが明らかになった。平成20年度に、NMDA受容体阻害薬であるPCPをアカゲザルに投与し、NMDA受容体活性の変化をPETでモニターしつつ認知機能がどのよう変化するかを調べる予定である。
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