2007 Fiscal Year Annual Research Report
双極性障害における選択的スプライシング機構異常と薬物治療反応性に関する研究
Project/Area Number |
19790817
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
江頭 一輝 Yamaguchi University, 医学部・附属病院, 助教 (90437624)
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Keywords | 双極性障害 / 薬物治療 / 遺伝子発現 / リアルタイムPCR法 |
Research Abstract |
本研究は、気分障害の病態解明を第一の目標とし、気分障害患者、特に双極性障害患者における選択的スプライシング異常に着目し、気分安定薬における治療反応性を深く探究することを目的とした。双極性障害患者の治療薬として、バルプロ酸、リチウム、カルバマゼピンが挙げられる。これら薬剤の共通した分子機構の解析は行われているものの、臨床的にはそれら薬剤の治療反応性は異なっており、それぞれの薬剤に特異的な分子機構を解析する必要がある。また、どの薬剤を投与するかは、専ら経験的なエビデンスに基づいており、生物学的指標がないのが現状である。そこで本研究では、1)3種の気分安定薬の選択的スプライシング制御に対する分子機構を解析する。2)それぞれの気分安定薬を服用している双極性障害患者末梢血における選択的スプライシングに対する解析を行い、3剤に共通した系と特異的な系を同定する。を目的とした。 平成19年度は健常者及び双極性障害と診断された患者のうち、リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸の服用で寛解した患者の末梢白血球由来全RNAを調整した。具体的には、山口大学医学部附属病院精神科神経科に入院もしくは通院中の双極性障害11名,男性7名,女性4名,平均年齢53.2±2.3歳,および健常者28名(男性15名,女性13名,平均年齢50.0±1.8歳)を対象とした。診断には精神疾患の分類と診断(DSM-IV)の診断基準を用いた。また、本研究は山口大学倫理委員会の承認を得て行い、対象者には研究の趣旨について文書を用いて説明し、同意を得た。 今後、さらにサンプル数を増やし、遺伝子発現解析を行う予定である。
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