2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境・心理・脳機能を評価対象とするうつ病による休職の予測因子に関する総合的研究
Project/Area Number |
19790825
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 英二 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20420672)
|
Keywords | 脳・神経 / 精神保健 / 社会医学 / 疫学 |
Research Abstract |
勤労者のうつ病が社会的問題となっており、本研究で対象とした事業所でもメンタルヘルス関連で休職する職員が急増している。メンタルヘルス関連の長期休職者は平成9年度から平成16年度の間に180%増であった。特にうつ病やその関連疾患により職務不能になる人が増えており、その対策は急務である。そこでこの研究では、抑うつ傾向の強い休職者のみならず、業務上高い負荷がかかっている職員に対しても環境的、心理的側面の特徴を捉えるのに加えて、局所脳機能の特徴を調べることで、休職のリスクファクターを多角的に判定し、職域における精神保健対策の基礎データを得ることを目的としている。19年度に、業務上の負荷により抑うつ度が高まっている職員の特徴を調査し、不規則勤務や出張が多いこと、そして、身体負担や孤立度が高い、職位が低い、周囲からの支援が乏しいことが抑うつ度を高くしていたことを突き止めた。そこで、20年度はうつ病休職経験者に対して有効な支援体制について調査し、さらに、脳機能、性格傾向とうつ病休職との関連について調査開始した。支援体制として有効だったのは業務内容と業務量に対する配慮であり、反復性の休職者には男性が多いことを明らかにした。今後は20年度に開始した、前頭葉機能検査時における脳血流変化と、NEO-FFIによって評価した性格傾向が、うつ病休職に与える影響についての調査をさらに進め、特に追跡調査を行なうことで多角的にうつ病休職者の特徴と危険因子を明らかにしていく予定である。
|