2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790827
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
勝瀬 大海 Yokohama City University, 附属病院, 助教 (40420674)
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Keywords | 前頭側頭型認知症 / 神経病理 / 免疫組織化学 / TDP-43 |
Research Abstract |
今年度は,前頭側頭型認知症(FTD)関連の疾患で非特異的な症状と病理所見を有する進行性核上性麻痺、4-リピートタウオパシーの2症例についてそれぞれ学会発表を行った。これらの症例について臨床症状をまとめ病理所見は主に免疫組織化学的研究を行い過去の報告と比較し考察を行った。また、最近FTDの中でタウの蓄積が見られず、TDP-43の蓄積が特徴である疾患群が明らかになっている。これに関連してアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など他の神経変性疾患脳におけるTDP-43の発現様式について免疫組織化学的手法を用いて病理学的検討を行い、共著者として論文報告を行った。その結果、FTDに特異的と考えられていた病理所見が他の変性疾患においても副病変として認められることがあることが明らかとなった。さらに、最近FTDの中でprogranulin遺伝子変異がみられる疾患群があることが明らかにされた。これに関連して遺伝子変異がある群とない群の臨床症状および病理学的特徴の相違点について検討を行い、共著者として論文報告を行った。その結果、臨床症状については遺伝子変異のある群では言語機能障害やパーキンソニズムが見られることが多く、病理所見については、遺伝子変異のある群では脳萎縮の程度が強く特に前頭葉に限局している傾向にあった。さらに病理所見ではユビキチン陽性構造物の出現が、遺伝子変異のある群でより多くみられ、病理学的特長は単一であったのに対し、、遺伝子変異のない群では多様な病理所見を有していたことが明らかとなった。これらの研究成果を踏まえ今後は多様なFTDの病理所見の特徴をTDP-43の蓄積様式と臨床症状の関連を中心に研究を進めていく予定である。
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