2007 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症母体ウイルス感染モデルマウスのシナプス伝達に対するドパミンの効果
Project/Area Number |
19790832
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
芳野 浩樹 Nara Medical University, 医学部, 助教 (10347560)
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Keywords | ドパミン / GABA / 海馬 / 統合失調症 |
Research Abstract |
まず健常群マウス海馬においてドパミンにより自発性GABA作動性後シナプス電流がどのように影響を受けるか調べた。ラットを使用したわれわれの以前の報告では誘発性GABA作動性シナプス電流はドパミンにより抑制を受け,その効果はより幼若であるほど強かった。しかし,今回自発性GABA作動性後シナプス電流に対してドパミンは頻度を増加させ,その効果は発達にしたがってさらに強まることが明らかになった。また,その効果は濃度依存性であった。 ドパミン受容体にはD1とD2グループの受容体があるが,前回のわれわれの報告ではphosphatidylinositol-linked D1受容体を介して誘発性GABA作動性シナプス電流は抑制されたが,今回の自発性GABA作動性シナプス後電流に対してもD1受容体が関わっている可能性が示唆された。D2agonistには増強効果はなく,D2antagonistでは増強効果をブロックできなかった。D1antagonistにてドパミッによる増強効果は阻止することができ,PLCinhibitorであるU73122にても部分的に増強効果をブロックすることができた。一方,PKAinhibitorであるH-89では増強効果をブロックすることができなかった。AgonistでのD1かD2のsubtypeに対しての検討が十分でないが,今回の自発性GABA作動性後シナプス電流に対してのドパミッの効果はやはりPI-linked D1受容体を介しての効果であると考えている。また実際にc-clamp recordingを用いて介在ニューロンに直接興奮性を調べると,ドパミン投与後に発火頻度が上がることが観察できており,自発性GABA性後電流がドパミンにより増加するのは介在ニューロンの興奮性を上げることによるものであると推察された。
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