2007 Fiscal Year Annual Research Report
全身FDG-PETでの骨髄・網内系の糖代謝活性に影響する要因と予後への影響
Project/Area Number |
19790852
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 健太郎 Tohoku University, 加齢医学研究所, 助教 (50333886)
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Keywords | 癌 / ポジトロンCT / 放射線 / 糖代謝 / 臨床 / 炎症 / 骨髄 |
Research Abstract |
平成17年2月〜3月に東北大学病院で行われたFDG-PET/CT検査から、癌治療後の症例とFDG-PET/CT検査施行時の技術的問題のあったものを除外し、1年以上の経過が確認でき、PET検査前後5日間の血液所見などの臨床情報が得られる症例を選択、平成20年3月現在、悪性腫瘍36例、良性疾患30例を得ている。これらについてPET検査前後5日間の血球数・血球文画値、炎症反応の指標としてのCRP値と、FDG-PET/CT画像での胸腰椎骨髄のグルコース代謝活性との関連を、大動脈を関心領域として得た血液プールの集積での調整を加えて予備的に検討した。これまでの研究では、良性・悪性群間に年齢、CRP、白血球・赤血球・血小板の数、各血球分画の有意差(t-test,P<0.05)は見られなかった。骨髄のFDG集積には両群とも年齢との負相関を認め、良性群ではCRPと、悪性群では赤血球数との正相関が認められた(偏相関分析、P<0.05)。悪性群と良性群とで見られた骨髄糖代謝の年齢依存性は造血髄分布・量の年齢に伴う変化を反映すると考えられたが、血球数との関連は両群で異なる傾向を示し、病態、患者背景の差異を反映する可能性が示唆された。 また、腫瘍マーカーCA19-9値上昇時のFDG-PETの有用性に関して英文論文を国際雑誌に発表(Hepato-gastroenterology,in press)、SAPHO症候群での骨・関節病変におけるFDG-PET/CTの有用性に関する症例報告発表を英文論文(Annals of Nuclear Medicine 2007;21:477-480)として行った。 これらすべての過程において個人情報保護のための施設内ガイドラインを遵守し、セキュリティ機能のあるデータ保存機器を使用している。
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