2007 Fiscal Year Annual Research Report
マトリックスメタロプロテアーゼを標的とした低酸素病態の分子イメージング
Project/Area Number |
19790853
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古本 祥三 Tohoku University, 先進医工学研究機構, 助教 (00375198)
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Keywords | 低酸素 / FMISO / MMP / PET / AVE8062 / コンブレタスタチン |
Research Abstract |
独自に設計、合成したMMP-2阻害剤SAV47についてin vitro阻害活性試験によりIC<50>値を調べたところ8.9nMとなり、非常に強い阻害活性を有することが明らかになった。そこで標識前駆体の合成を行い、実際にフッ素18標識SAV47M(プロドラック)の標識合成法を検討したところ、放射化学的収率30-40%、放射化学的純度>99%で目的とする標識化合物の合成に成功した。そこで、MMP発現性腫瘍であるEhrlich移植腫瘍モデルを用いて、[^<18>F]SAV47Mの腫瘍集積性を検証した。薬剤投与120分後において腫瘍における放射能集積率は1.62%ID/gとなり、イメージング能力の指標となる腫瘍/筋肉比は3.7となったころから、[^<18>F]SAV47MはMMPイメージング薬剤として利用できる可能性が示唆された。一方、血流遮断剤による腫瘍低酸素モデルの実用性の検証を目的として、AVE8062投与時における[^<18>F]FMISO腫瘍集積性の検討を行った。AVE8062処置群では、主要臓器組織の[^<18>F]FMISO集積率は対照群と同程度の値を示したが、腫瘍では投与薬剤の用量に応じて1.5-2.0倍の値となり腫瘍特異的集積性が確認された。また、オートラジオグラフィーで放射能の腫瘍内分布を確認したところ、AVE8062処置の腫瘍では対照群と比較してより均一的に組織全体に強く集積分布することが明らかになった。このことから、AVE8062投与担癌ラットは腫瘍低酸素モデルとして利用できることが確認された。
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